日本ブックデザイン賞とは
ブックデザインはもともと装丁を意味し、本という知識の宝庫を長期間に渡って保存するために、その造本に関わる製本、本文や表紙の素材、箱、といった図書の設計をすることでした。現在では、一般書の出版は価格競争が激しくなった結果、出版社が中心となってコスト重視の出版に移行してきました。読者の心をとらえるために、本の内容をイラストレーションやタイポグラフィ、また、紙の素材や製本、印刷の技術などを用いて、どのようにブックデザインに反映するのか、デザイナーやイラストレーターにかかっているのです。つまり、ブックデザインとは、読者と本の「最初の扉」といえるのです。電子出版が進む一方、少部数、古来より用いられてきた紙の本作りも現代社会において価値あるものと位置づけています。日本ブックデザイン賞は、新たなブックデザインの提案と才能の発掘を目指しています。 |
ごあいさつ
「日本ブックデザイン賞の始まり」 電子ブックの登場した今だからこそ、装丁の美、装画の力を見直し、再認識しなければならないと考えます。実物の本がもっている実在感は私たちの心を豊かにする普遍的な力を持っています。そこに必要なのは、上質な文字、イラストレーション、デザインです。それらは、著者が執筆した内容をあざやかに読者に伝えてくれます。私たちは、装丁と装画の価値の高さを認識し、日本ブックデザイン賞を誇りを持っておこなうべき社会への提案だと考えます。 |
秋山 孝 |
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